【徹底比較!】賃貸、セットアップ、サービスオフィス… 6つのオフィス形態の違いと選び方

企業の成長や働き方の多様化に伴い、オフィスの選択肢はかつてないほど広がっています。

従来の「賃貸オフィス(スケルトン)」に加え、「セットアップオフィス」「レンタルオフィス」「シェアオフィス/コワーキングスペース」「サービスオフィス」、そして物理的なスペースを持たない「バーチャルオフィス」まで、様々な形態が登場し、それぞれに特徴があります。

しかし、選択肢が多い反面、「結局、自社にはどれが最適なのか分からない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、主要な5つのオフィス形態をピックアップし、「コスト」「スピード」「柔軟性」「サービス」といった観点から、その違いを徹底的に比較・解説します。

比較する6つのオフィス形態とは?

まず、今回比較する6つの形態について、基本的な定義を押さえておきましょう。

バーチャルオフィス

物理的な執務スペース(個室やデスク)は提供せず、「住所」や「電話番号」だけを低コストで借りられるサービス。法人登記や郵便物転送、会議室の時間貸しなどのオプションが中心。

賃貸オフィス(スケルトンオフィス)

最も伝統的なオフィスの契約形態。床・壁・天井のみが施工された「スケルトン(内装が何もない状態)」で引き渡されることが多い。入居企業が内装工事や家具、通信インフラの整備をすべて行う。

セットアップオフィス

貸主(オーナー)が、あらかじめ内装やオフィス家具(デスク、椅子、会議室など)を設置した状態で貸し出すオフィス。デザイン性が高く、数十名規模での利用が中心。

レンタルオフィス

業務に必要な家具やインターネット環境が整った「個室」を、比較的安価に短期間から借りられるオフィス。サービスは最小限で、低コスト・少人数利用に特化していることが多い。

シェアオフィス / コワーキングスペース

複数の企業や個人が、オープンなフリーアドレススペースや会議室などの設備を「シェア(共有)」する形態。低コストでの利用が可能で、利用者同士のコミュニティ形成や交流が促進される場でもある。

サービスオフィス

家具付きの専用個室に加え、受付スタッフ常駐による来客応対、電話代行、郵便物管理といった手厚い「サービス」がパッケージになったオフィス。都心一等地のハイグレードなビルに入居していることが多い。

【一覧比較表】6つのオフィス形態の違い

6つの形態の主な違いを一覧表にまとめました。貴社のニーズと照らし合わせながらご覧ください。

比較項目バーチャルオフィス賃貸オフィス(スケルトン)セットアップオフィスレンタルオフィスシェア/コワーキングサービスオフィス
初期費用最低 (入会金等)高額 (敷金/礼金/内装工事/家具) (敷金/礼金は要) (保証金1〜3ヶ月)最低 (入会金程度) (保証金1〜3ヶ月)
月額費用最低 (数千円〜)中〜高 (内装費分が上乗せ) (サービス料込)
契約形態利用契約賃貸借契約賃貸借契約利用契約 (多い)利用契約利用契約 (多い)
契約期間短期 (月単位〜)長期 (2年〜が一般的)中期 (2年〜が一般的)短期 (月単位〜)短期 (月単位〜)短期 (月単位〜)
入居スピード最速 (即日〜)遅い (数ヶ月〜)早い (数週間〜)最速 (数日〜)最速 (即日〜)最速 (数日〜)
内装自由度なし高い低い (セミオーダーも有)ほぼ不可不可ほぼ不可
主な設備なし (住所貸与)なし (空室)内装, 家具, 会議室個室, 家具, ネット共有デスク, ネット個室, 家具, ネット
付属サービス住所登記, 郵便転送なしなし最小限 (共有部清掃等)共有設備 (会議室/カフェ)充実 (受付/秘書等)
スペース専有性なし高い (全区画専有)高い (専有区画)高い (個室専有)低い (共有がメイン)高い (個室専有)
原状回復不要義務あり (高額)軽減・免除の場合あり原則不要(※)不要原則不要(※)

(※利用契約の場合、通常の使用による損耗は月額費用に含まれることが多いですが、故意・過失による破損は実費請求されます)

各オフィス形態の詳細と「向いている企業」

比較表を踏まえ、それぞれの形態がどのような企業や利用シーンに最適なのかを詳しく解説します。

バーチャルオフィス

  • 特徴:
    • 物理的な執務スペースを必要としない「住所と信用の確保」に特化したサービスです。最大のメリットは、月額数千円からという圧倒的な低コストで都心一等地の住所を持てる点にあります。
    • 法人登記や郵便物の受け取り・転送、電話転送(秘書代行)などが主なサービスです。多くの運営会社では、必要な時だけ会議室を時間単位でレンタルできるオプションも用意されています。
  • 向いている企業・シーン:
    • 自宅やカフェなどで業務を行うフリーランス、個人事業主
    • 起業準備中で、まずは法人登記用の住所が欲しい方
    • 初期費用・固定費を極限まで抑えたい方
    • リモートワーク中心で執務スペースが不要だが、会社の信頼性として住所が必要な企業

賃貸オフィス(スケルトンオフィス)

  • 特徴:
    • 最大のメリットは「自由度の高さ」。自社のブランドイメージや企業文化を反映させた、こだわりのオフィスレイアウトをゼロから構築できます。
    • 一方、初期費用(敷金、内装工事費など)が最も高額になり、入居までに数ヶ月単位の時間がかかります。退去時には内装をすべて撤去する「原状回復」の義務があり、その費用も高額になりがちです。
  • 向いている企業・シーン:
    • 従業員数が安定している中〜大規模企業
    • 長期的な利用を前提としている企業
    • オフィスのデザインで自社のブランディングを強化したい企業

セットアップオフィス

  • 特徴:
    • 賃貸オフィスの「専有性」と、サービスオフィスの「スピード・低初期費用」の良いとこ取りをした形態です。
    • 内装工事費や家具購入費が不要なため、初期費用を大幅に削減できます。また、入居までのスピードが格段に早くなります。
    • 内装は完成されていますが、デザイン性が高い物件が多く、採用活動や従業員満足度の向上にも寄与します。
  • 向いている企業・シーン:
    • 数十名規模のスタートアップ、ベンチャー企業
    • 初期費用を抑え、運転資金を確保したい企業
    • オフィスマネジメントの工数を削減し、本業に集中したい企業

レンタルオフィス

  • 特徴:
    • 「家具付きの専用個室」を低コストかつ短期間で借りることに特化しています。
    • サービスオフィスと似ていますが、受付常駐や秘書サービスは省略されているか、オプションで提供されることが多く、その分月額費用が抑えられています。
  • 向いている企業・シーン:
    • 1名〜数名で起業する方(士業、コンサルタントなど)
    • 地方企業の営業所やサテライトオフィスとして
    • コストを最優先しつつ、最低限のプライバシー(個室)を確保したい場合

シェアオフィス / コワーキングスペース

  • 特徴:
    • 最も低コストで手軽に利用できる形態です。
    • 専用個室ではなく、オープンな共有スペース(フリーアドレス)を複数の利用者でシェアするのが基本です。
    • 多様な業種の個人や企業が集まるため、ネットワーキングやコミュニティ形成の場としての側面も持ちます。
  • 向いている企業・シーン:
    • フリーランス、個人事業主
    • 起業準備中の方
    • 他の利用者との交流や情報交換を求めている方

サービスオフィス

  • 特徴:
    • 家具付きのハイグレードな個室に加え、受付スタッフによる来客応対、電話代行、郵便物管理などの手厚い「サービス」が特徴です。
    • 都心の一等地にあるAクラスビルに入居していることが多く、企業の信頼性(住所)をすぐに高めることができます。その分、月額費用は最も高額になる傾向があります。
  • 向いている企業・シーン:
    • 外資系企業の日本進出の拠点として
    • 大企業の期間限定プロジェクトルームとして
    • 高い信頼性やステータス(住所)を重視する企業
    • 総務や受付の業務をアウトソースしたい企業

まとめ:自社に最適なオフィスはどう選ぶ?

6つのオフィス形態には、それぞれ明確なメリットとデメリットがあります。最適なオフィスを選ぶためには、まず自社の「優先順位」を明確にすることが不可欠です。

「コスト」を極限まで抑え、「住所」だけが必要なら →  バーチャルオフィス

「コスト」と「スピード」を最優先するなら →  シェアオフィス(1名〜)、レンタルオフィス(少人数個室)

「初期費用削減」と「デザイン性・専有性」を両立させたいなら →  セットアップオフィス(数十名規模)

「信頼性(住所)」と「手厚いサービス」を求めるなら →  サービスオフィス

「自由度」と「自社ブランディング」を最重要視するなら →  賃貸オフィス(スケルトン)

自社の事業フェーズ、従業員数、必要なサービス、そして将来の展望を見据え、最も合理的な選択をすることが、ビジネスの成功を加速させる第一歩となります。