オフィスの「平米(m²)」を「坪数・畳数」に換算する方法は?100名規模までの適正坪数目安も徹底解説

オフィス移転や新しい拠点の開設を検討する際、物件情報には「100m²」「30坪」など、広さを表す単位が混在しています。
特に日本では「坪(つぼ)」という単位が根強く使われており、平米(平方メートル)表記だけでは、実際の広さを直感的にイメージしにくいことも少なくありません。
「この平米数は、何坪で、何名くらいが快適に働ける広さなのだろう?」
この記事では、そうした疑問を解消するため、平米(m²)から坪数・畳数への換算方法と、オフィスの利用人数に応じた適正な広さの目安を、100名規模まで対応した分かりやすい表で解説します。
基本の換算:「平米(m²)」と「坪」
オフィス面積の基本となる「平米」と「坪」の換算方法を理解しましょう。
そもそも「1坪」とは?
坪は、日本の伝統的な計量法(尺貫法)に基づいています。1坪 = 約3.305785 m²(目安として「畳2枚分」とよく言われますが、これは畳の規格によって変動します)
便利な計算方法
正確な計算は複雑ですが、実務上は以下の2つの方法がよく使われます。
A. 平米(m²)から坪数を計算する
平米数 × 0.3025 = 坪数
例:100m² の場合 100㎡× 0.3025 = 30.25坪
(暗算での簡単な目安:平米数を「3.3」で割る。例: 100㎡÷3.3 30.3坪)
B. 坪数から平米(m²)を計算する
坪数 ÷ 0.3025 = 平米数
例:100坪 の場合 100坪÷0.3025 ≒ 330.57㎡
(暗算での簡単な目安:坪数に「3.3」を掛ける。例: 100×3.3 = 330㎡)
[Point] 暗算では「3.3」で割ったり掛けたりするのが手軽ですが、より正確な数字を知りたい場合は「0.3025」を使うことをおすすめします。
注意が必要な「畳(帖)」への換算
住宅では「畳(じょう)」や「帖(じょう)」という単位も使われます。オフィスの広さをイメージするために知っておくと便利ですが、注意点があります。
畳のサイズは地域によって異なる
畳には「京間」「中京間」「江戸間」など複数の規格があり、1畳あたりの大きさが異なります。
- 京間(西日本):1.82 m²
- 江戸間(東日本):1.55 m²
不動産公正取引協議会の基準
このように地域差があると混乱を招くため、不動産広告などでは「1畳(帖)= 1.62 m²」という基準で統一することが規約で定められています。
計算方法
平米数 ÷ 1.62 = 畳数(帖数)
例:100m² の場合 100㎡÷1.62 ≒ 61.7帖
平米・坪・畳(帖) 早見表
よく使われる面積の換算早見表です。
| 平米 (m²) | 坪数 (約) | 畳数 (約) ※1.62m²換算 |
| 30 m² | 9.07 坪 | 18.5 帖 |
| 50 m² | 15.12 坪 | 30.8 帖 |
| 100 m² | 30.25 坪 | 61.7 帖 |
| 165 m² | 49.91 坪 (約50坪) | 101.8 帖 |
| 330 m² | 99.82 坪 (約100坪) | 203.7 帖 |
【重要】オフィスの坪数と適正人数の目安
「結局、何坪あれば何名で働けるのか?」というのは、オフィス選びで最も重要なポイントです。
1人あたりの必要坪数の考え方
オフィスの広さを考えるとき、単に「執務スペース(デスク周り)」だけでは不十分です。実際には「共有スペース」も必要になります。
- 執務スペース: 1人あたり 約1.0〜1.5坪
- 共有スペース: 会議室、受付、通路、コピー機、サーバールーム、ラウンジ、トイレ、給湯室など
これらを合計した、一般的なオフィスの「1人あたりの必要坪数」の目安は以下の通りです。
- 一般的・快適なオフィス: 1人あたり 2.5〜3.0坪
- 最低限(高密度)なオフィス: 1人あたり 1.5〜2.0坪 (例:スタートアップ、コールセンターなど)
- ゆとりのあるオフィス: 1人あたり 4.0坪以上 (例:役員室や個室、広いラウンジがある場合)
【表】オフィスの坪数別・適正人数目安
上記の「一般的・快適なオフィス(1人あたり2.5〜3.0坪)」を基準として、坪数別の適正人数目安を表にまとめました。
(※あくまで一般的な目安であり、業種、レイアウト、共有スペースの割合によって変動します)
| 坪数 | 平米数 (約) | 適正人数の目安 (一般的) |
| 10坪 | 約 33 m² | 3〜4名 |
| 15坪 | 約 50 m² | 5〜6名 |
| 20坪 | 約 66 m² | 6〜8名 |
| 30坪 | 約 100 m² | 10〜12名 |
| 40坪 | 約 132 m² | 13〜16名 |
| 50坪 | 約 165 m² | 16〜20名 |
| 60坪 | 約 198 m² | 20〜24名 |
| 80坪 | 約 264 m² | 26〜32名 |
| 100坪 | 約 330 m² | 33〜40名 |
| 150坪 | 約 495 m² | 50〜60名 |
| 200坪 | 約 660 m² | 66〜80名 |
| 250坪 | 約 825 m² | 83〜100名 |
| 300坪 | 約 990 m² | 100〜120名 |
利用シーンの例
- 〜15坪: スタートアップの立ち上げ期、フリーランス数名の共同事務所
- 20〜40坪: 10名前後のベンチャー企業、成長期の企業
- 50〜100坪: 会議室やラウンジをしっかり確保したい企業、20名〜40名の組織
- 100〜300坪: 50名〜100名規模の企業。複数の会議室や広いリフレッシュスペースなど、充実したオフィス環境を構築可能
6. まとめ
オフィスの広さを選ぶ際は、まず「平米数 × 0.3025」で坪数を把握しましょう。
そして、最も重要なのは「自社が何名で働くか」「どのような共有スペースが必要か」を具体的にイメージすることです。 ご紹介した「1人あたり2.5〜3坪」という目安と上記の表を参考に、現在の従業員数だけでなく、将来の増員計画も考慮に入れながら、自社に最適な広さのオフィスをお選びください。




